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ホーム瑠璃の石話・インカローズ

 インカローズ 

 

鉱物名は「菱マンガン鉱」、インカローズと呼ばれるように、南米での産出が盛んな石です。
市場に出回っているもののほとんどはアルゼンチン産ですが、産地によってさまざまな表情を見せてくれる石でもあります。
結晶系は菱形6面体、稀に犬牙状結晶も南ア産などで見られます。
通常はノジュール(塊)で採掘され、ポリッシュ・カービング加工によりその美しい紅色を引き出されています。

モース硬度は3.5~4


一般的にインカローズは「愛の石」と言われますが、その愛は私たちの深くに根差した母性愛の領域に属するもののように感じ取れます。

トラウマ的な心の空洞や寂寥感、あるいは根拠なく湧き起ってくる孤立感・欠乏感、そうした「何かが足りない」という寒々しい心を、この石は暖かく柔らかな光で満たしてくれます。

アルゼンチン産 インカローズの薔薇カービング

 

大粒のアルゼンチン産インカローズ・ブレスレット

 

◆アルゼンチン産インカローズ

最もポピュラーな産地のインカローズで、巷で出回っているもののほとんどがアルゼンチン産ではないでしょうか。
透明感のあるバラ色の見事な品質のものから、柔らかなミルキーピンクのものまで、様々な種類が見られます。

アルゼンチン産のインカローズはどちらかといえば動的な石。
華やかに自己主張をする、赤いバラが咲き誇るような美しさを周りに振りまきます。
心が沈んでいる時、なんとなく憔悴している時など、この石を身に着けることで不思議な活力や躍動感を受け取れる気がします。

 

 

ペルー産インカローズ・ブレスレット

 

◆ペルー産インカローズ

後でご紹介する北海道産のインカローズによく似た色調・質感の石です。
穏やかに落ち着いていて、しっとりと細やかなその光で私たちの心を包み込んでくれるかのようです。

アルゼンチン産やSweetHomemineのような華やいだ活動的な光とは対照的に、静かに私たちの深部へと染み渡り満たしていく、そんな安定感のある光を伝える石です。

 

 

◆コロラド産インカローズ(Sweet Home Mine)

採掘される鉱山の名をとり「Sweet Home Mine」と呼ばれる、奇跡のような透明感と眩い紅色の発色を持つインカローズです。
既に閉山しているため、これからますます稀少性が高くなると思われます。

よく見かけるのは画像左のエッグ型、そして稀に右のキューブ型。
真ん中の丸型ですが、仕入れ先の業者さん曰く「ロードクロサイトを球にするのはリスクがとても高いので殆どはエッグ型になるんですが、これは珍しく球に仕上げられたものなので、それだけでレアですよ^^」だそうです。
確かに私の手元にあるのはほとんどがエッグ型ですね。


さて、初めてこの石を仕入れ先の担当さんに見せてもらった時に、何の石なのか本気で分からずに「これは何の石ですか?」とお聞きしました。

担>「水晶を赤く染めてみました」
私>「なるほどー」
担>「冗談です。インカローズですよ。」
私>「ええええっっ(のけぞり)」

あまりの驚きに思わず「いただきます」したのは言うまでもありません ^^;

その後も少しずつお迎えして、大切にしまってありますが(コラコラ)時々出して眺めていると、まるで石に恋しているかのようなときめきを感じます。

そんな、「特別のインカローズ」なのです。

 

北海道産インカローズ・ペンダント

 

◆日本産インカローズ

さて、日本でも僅かながらインカローズは採掘されていたようです。
現在は絶産しているようですが、私が知る限りでは北海道産が比較的知られているようですね。

私の手元にある北海道産インカローズは、北海道在住のとあるコレクターの方がノジュール(塊)の状態で所持しておられ、それを趣味で磨いてルースに仕上げているものを分けていただいたものです。
なかなか良い品質で、そうしてお迎えしたルースがいくつかあります。
色味はやや暗赤色の、ペルー産インカローズに似た風合い。手にした時のしっくりとしっとりと馴染む感じはさすがに日本産の石、という印象です。

 

茨城県産インカローズ・ペンダント

 

 

そして、私が手にしたのは後にも先にもひとつの小さなルースのみですが、茨城県産のインカローズ。
これはもう品質といい産地といい、レアの極みではないかと思います。
そんなわけでこれは迷わず彫金のペンダントにしていただきました。
小さなエメラルドカットの煌めく宝石、けれど不思議に優しくて温かいサポートストーンです。